英国王のスピーチ - sacsra / NOTE

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英国王のスピーチ

初見
[あらすじ]

 幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。

 素晴らしかった。後のジョージ6世となる通称バーティを演じた主役コリン・ファース。彼の名演が光りまくっています。



 王位継承順位第二位であるバーティの吃音を治そうと様々な医師にかかるも一向に回復の気配がなく。悩むバーティを支えるため妻は新しい専門家を見つけそこでの治療をバーティに奨める。その人物こそが、後のバーティの大親友ローグである。

 ちなみにこの辺りサラリと描かれているのだが、妻は一般のチラシ(!)からローグの診療所を発見し1人で診療所を訪ねて行く。藁にもすがる想いがしっかり伝わってくる。あんなボロアパート、1人で訪れるにも相当な勇気がいったであろう事も想像に容易い。

 さてバーティ。子供の頃から真面目で不器用な性格。家政婦の虐めが5歳から始まるも誰にも言わず隠し続ける。何かを発言しようとするタイミングで体をつねってドモらせたり。夕飯を抜きにしたり。しかし幼いバーティは誰にも言わないままひたすら耐える。(バーティは言わないが、状況を聞くに恐らく兄は知っていて当然。しかしそれを放置する兄。その後の展開といい、大変な無責任男として今作では描かれている)。結局、家政婦の嫌がらせが発覚したのは3年後。家政婦は即解雇になったが、吃音はこの家政婦からの虐めが大きな要因であることを、初めてバーティ自身の口から人(ローグ)に話す。

 ※これが事実であれ、違うのであれ、どちらにせよ幼少期に吃音が発生したのは事実なのであろう。兄からも子供の頃からいつも吃音をからかわれていたと描写される。親も相当バーティに厳しかった。弟も産まれるが脳に障がいを持っており13歳に他界。しかも王族に障がいを持つ子が産まれた事自体、隠されていたというから驚き。さりげなく描かれるエピソードだが当時のイギリス王室内が厳格で、また異常でもあったことがやんわりと、だがしっかりと表現されている。この経験があるからなのか、バーティの持つ家庭は大変に温かく愛の溢れる一家として表現されている。


 継承順位は兄の後であるが、自身が吃音も酷く王位に就く事自体には強い抵抗心を見せる。ただ様々な分野における博学さ、妻へはプロポーズを3回(うち2回は断られている)もトライするしつこさw、常に慎重で且つ努力を惜しまない実直さ、そして強さが滲み出ている。

 また自身の吃音という障害に悩みはするも、彼の王族としての気品・威厳・振る舞い・オーラはさっぱり揺らがない。品格というのか、気高さというのか。さらに素晴らしいのが決して傲慢さが感じられない点だ。「無礼だ!」と怒鳴るシーンもいくつかあるが、それはバーティ自身の人間臭さ、弱さを表していて、決して品位を汚すことのない動作だ。コリン・ファース、凄い。素晴らしい。



 印象的なシーンはこれまた多々あるわけですが。

 やはりまず、王位を継承する羽目になり、弱気全開のバーティをローグが挑発するシーン。王の椅子に座りバーティを馬鹿にする。そのやりとりが秀逸。また、そこでバーティは自身の雄弁さと自覚に気付かされる。ローグはそれを見て微笑む。


 あとはやっぱり「英国王のスピーチ」のシーン。

 不安でパニックになりそうなバーティ。スピーチ部屋にはバーティとローグの2人だけが入る。直前までローグに習った早口言葉をおまじないのようにブツブツ呟いている。見ているこっちがハラハラする。手に汗を握ってしまう。緊張が画面を飛び越えてわたしの体までもを緊張させる。

 「頭を空っぽにして。わたしだけに話せ。友達に向けて話せ。」 スピーチが始まる直前にアドバイスするローグ。

 バーティは言われるがまま、一節一節、ローグの目を見て、ローグの反応を確認して話す。その度、ローグは大きく相槌をうち、そして身振り手振りでバーティをサポートする。震え、今すぐ泣きそうな声だが、その話の内容が、それでいい。それがいい。

 言葉を続けていくうちに、いつしか、たどたどしく弱々しかったバーティの目と声は、どんどんと力強いものへと変わっていく。優しく丁寧でゆっくりと、しかし威厳ある、堂々とした口調で、話す。お年寄りから子供たちの全てに伝わることを心がけたかのように、これから戦争が起こるという悲報を、バーティは国民へと告げていく。

 バーティが顔をあげてまっすぐの位置に立つローグへ向ける目つきも王たる威厳を持つものへと変化していく。いや、違う。ローグはいつしか一国民となり、バーティ 否ジョージ6世、国王の眼前には立たず、離れて傾聴の姿勢をとっていた。バーティもいつしか、ローグを見なくなっていた。真っ直ぐ顔をあげながら話す視線の先には、これから起こる未曾有の時代と国民の姿、未来を見据えていたのかもしれない。

 ひとつ、ひとつ、懸命に話す、そのひとつひとつの言葉が、心に染み入ってくる。話す内容が悲しい話なだけに、むしろこのスピーチは、バーティにしか出来なかったものだと感じさせられる。ヒトラーのような情熱的演技の演説家とは真逆、上品で高級。「これぞ英国王」

 「ありがとうローグ。我が友よ」と感謝を告げるバーティ。それに対しローグは「恐縮です。国王陛下」と頭を下げる。


 その後は皆が「陛下」「陛下」「陛下」と集まってくる。そして国民の大歓声。わたしまで拍手を送りたくなるような気持ちに。


 わたしは字幕を見た後に、ラストのスピーチの部分だけ吹替を聞きました。吹替も素晴らしかった。今見たばかりのコリン・ファースが演じたジョージ6世のイメージを崩すことなく。吹替も素晴らしかった。


余談を書きました
過去に書いた記事もちょいちょい書きなおしたりします。記事作成日はリスト調整のため、手動でいじる事が多いため、観賞順ではありません。
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